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日本近代の憧れと過ち―松本健一講演集〈2〉 (松本健一講演集 2)
- 作者: 松本健一
- 出版社/メーカー: 人間と歴史社
- 発売日: 2011/04
- メディア: 単行本
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彼は三島由紀夫さんとの往復の書簡集も出していますが、橋川さんは、
「日本における唯一の恋愛哲学はこの『葉隠』のなかにある」
という考え方を示して、若い私らは非常に影響を受けました。
恋愛哲学は何なのかといったら、「忍ぶ恋」です。恋は相手に知られてしまったら、それはふつうの日常的な結婚をするかどうかとか、あるいは生活を一緒にしていくかどうかとか、そういうことになってしまうのであって、純粋な恋愛は相手に知られないで恋の炎を燃やすことである。そういうことが『葉隠』に書かれています。(p54)